

分析した先の世界まで
思い描くデータ
サイエンティスト
IT技術/データサイエンティスト
※内容は取材当時のものです



NTT通信網のトラフィック分析を他分野へ展開、
マーケティングや環境エネルギー分野の課題を解決
現在あなたが携わっている分野と業務についてお聞かせください。
最も関わりがある分野は「AI&ロボティクス」です。そこで私は、様々な分野のデータ分析業務を担当しています。私たちのデータ分析は、NTT通信網のトラフィックデータ分析が発端で、現在はそれをマーケティング分野や環境エネルギー分野に加え、IoTの導入が盛んな工場など製造分野にまで広げている段階です。私はデータサイエンティストとして、お客様からデータをお預かりし、課題解決につながるアクションプランをつくっています。高度な統計解析をする場合もありますし、お客様自身で分析を繰り返していけるような環境をつくる場合もあります。




ビッグデータ活用として一括りにできない
顧客の事情に合わせて臨機応変に対応を行う
いわゆる「ビッグデータの活用」と⾔われているところでしょうか?
ビッグなこともありますし、ビッグでないこともあります。例えば、大企業や研究所は、本当に量が多いという意味のビッグデータになりますが、小売りやマーケティングの部署では、一つひとつは大きくないけれど種類が多いという意味でのビッグになります。また最終的には、お客様自身で分析していただけるようになることが理想なので、スモールから始めていくこともあります。お客様によって事情は様々なので、丁寧なコミュニケーションによってパターンを見出し、臨機応変に対応していくことが大切だと思っています。
最近の事例を具体的にお聞かせいただけますか?
例えば、省エネ施策のための電力データ活用が進んでいます。最近ではIoTで精度のよいセンサーが安く流通するようになったので、フロアや部屋ごとに使われている電力消費量が計測できるようになってきました。あとは、個人宅で行われる太陽光発電の発電量予測などもあります。





現状の見える化をした先で、
お客様が本当に実現したいことは何か
データサイエンティストとして、個人的にこだわっている点はありますか?
現状の見える化を行った上で、課題を再整理してみると、見える化の先でお客様が目指すべき将来像が見えてきます。そこに向けて、どのような姿勢で取り組み、何にチャレンジするのか、その過程の中で現在地はどこで、今回の取り組みから得られるものは何かなど、私は分析結果をお客様の課題解決につなげるために、そのつながりやストーリーを示すことをとても大切にしています。
分析したら終わりではなく、そこまで深く掘り下げて考えるようになったのはいつからですか?
歓迎会か何かの時だったと思うのですが、先輩から「コピー1枚でも、それを任せられるということは、その分信頼されているのだ」というようなことを伝えていただいて。その言葉が十数年ずっと心に残っています。
コピーは誰に頼んでも結果は同じではないのですか?
全く同じではないと思います。実際にコピー1枚を頼まれるということはありませんが、例えば、何のためにその資料を印刷するのかについて考えると、単なる確認用なのか、それともお客様に渡すためなのか、あるいは納品のためなのかという違いがあり、それによって、白黒がいいのか、カラーがいいのか、片面か、両面かと、いろいろと配慮できる余地があるのです。コピー1枚というのは例えですが、多分、そういうところにもきちんと配慮してやってくれるという信頼があって、私に任せるのだろうと理解しています。





8 Elements of Personality

「お前がやるしかないのだから、腹を括れ。責任は俺がとる」
という上司の⾔葉の裏にあった「お前ならできる」という思い
それは逆に、大きな責任を伴う仕事を頼まれたりしませんか?
入社したばかりのときに、それは本来、中間管理職がやるべきでしょうと思うようなことを頼まれた機会がありました。お客様と調整したり、社内ルールに従って用意したり、段取りを整えておかなければいけない部分です。しかし、いちばん上の上司から「やるやつがいないだろう」「お前がやるしかない」と叱られてしまいました。ただ、「最後は俺が責任を取ってやるから」と、丸投げではなくて、自分は見ているという思いも伝えてくれました。
なぜ中間管理職の方は動かなかったのですか?
技術が専門の方の中には、コミュニケーションがあまり得意ではないことも多いのです。そういった方には得意なところを頑張ってもらえればいいですし、私自身もいずれ年次が上がっていけば、怖くてもチャレンジしなければならないことが増えてきます。当時「腹を括れ」というのは結構厳しい言葉でしたが、今ではそれを1年目に言ってもらって良かったと思います。自分が仕切らなければいけないプロジェクトが最近増えてきましたが、その言葉が生きていることを実感します。
提案で新しいプロジェクトを創出し、
ビジネスや売上につながる部分を担っていく
今後の目標、チャンレジしたいことは?
これまでも、お客様に「こういう分析をしたらいかがですか」「分析結果をこのように活かしたらどうでしょうか」といった提案を行う機会はありましたが、それは誰かが取ってきてくれた契約の中で頑張るということでした。しかし、これからは、新しい契約を作り出すところや、自ら実務を担当してくれるメンバーを集め、プロジェクトをマネジメントするところ、ビジネスや売上につながる部分を挑戦していきたいと考えています。


