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コラム
企業に求められるCO2排出量の算定について・8月開催セミナーのお知らせ
2026.07.31
企業が顧客から「製品(商材)のCO2排出量」や「事業活動のCO2排出量」に加え「サステナビリティへの取り組み状況」の情報提供を求められることが、ここ数年で急速に増えています。
その背景は、顧客の単なる環境配慮に対する取り組みによるものだけでなく、法規制・投資家・市場競争・サプライチェーン管理が複合的に影響しています。このコラムでは、その背景を整理していきます。
1.顧客からの要請の背景
(1)最も大きな背景は「Scope3排出量」の算定
従来は企業自身の排出量(Scope1・2)だけを管理していました。
ここ数年、大手企業はScope3の算定・開示をはじめています(プライム上場企業の約9割がScope3を開示)。
Scope1・2は自社の排出量であるのに対し、Scope3はサプライチェーンにおける自社以外のCO2排出量となります。
そして、Scope3の算定にあたっては、「購入した部品や材料を作る際に発生したCO2」まで企業が把握することが求められています。
例えば、自動車メーカーなら、自動車の製造のために調達している部品材料(鉄、樹脂、電子部品、半導体など)それぞれのCO2排出量を集める必要があります。
つまり、 「材料メーカー」⇒「二次サプライヤー」⇒「一次サプライヤー」⇒「メーカー」という流れ全体でCO2排出量のデータを集めなければならないため、
顧客から「あなたの会社の製品1個あたりのCO₂を教えてください」という依頼が来ることになります。
環境省も、Scope3算定のためにはサプライヤーから製品単位や組織単位の排出量データを取得し、サプライチェーン全体で排出量削減に取り組むことが重要だとしています。
(2)欧州規制が世界中へ影響している
EUの取り組みも大きく影響しています。
①CSRD(企業サステナビリティ報告)
欧州で事業を行う大企業は、CO2、人権、生物多様性、サプライチェーンなどを開示しなければなりません。
そのため、欧州企業は世界中のサプライヤーへデータの提供を求めています。
近年は対象範囲の見直し提案もありますが、サプライチェーンからの情報収集そのものは継続されています。
②CBAM(炭素国境調整措置)
現在、EUへ鉄鋼、アルミ、セメント、水素などを輸出する場合、製品ごとのCO2排出量の報告が必要になります。
つまり日本企業でもEU向け製品(部品であっても)を作っていればCO2データを提出しなければ、EUで販売できないケースが増えています。
経済産業省によれば、CBAMでは製品ごとの排出量報告が既に始まっており、2026年から本格導入されるとのことです。
③サステナビリティ調達(グリーン調達)
最近は、調達先の決定は価格、品質、納期だけではなく、CO2や人権、労働安全、生物多様性などサステナビリティに対する取り組みを加味して決定されます。
(弊社を含めたNTTグループもサステナビリティ調達基準を定めており、サプライヤーの皆さまへ協力をお願いしています。)
そして、多くの企業は調達アンケートを行っており、その内容は下記のとおりで、数十~数百項目が並び、製品のCO2排出量も含まれることがあります。
| 分類 | 主な内容 |
|---|---|
| 企業全体 | Scope1・2・3排出量 |
| 製品 | CFP(製品1個当たりCO₂) |
| エネルギー | 電力使用量、再エネ比率 |
| 削減目標 | カーボンニュートラル目標、SBTなど |
| 環境マネジメント | ISO14001、EMS |
| ESG | 人権、労働安全、生物多様性 |
| 調達 | グリーン調達方針、サプライヤー管理 |
| 情報開示 | CDP、EcoVadisなどへの回答状況 |
(3)投資家からの評価
大手企業は、投資家やCDPなどから、財務情報だけでなく環境やサステナビリティを含む非財務情報の開示をもとめられ、企業価値を評価されます。
また、自らSBTiに加盟し、Scope1,2,3に関する目標を設定する企業も増加傾向です。
2. 製品単位のCO2排出量の需要増加
以前は、Scope3の算定にあたっては、業界の平均値を用いられてきました。
しかし、現在では、電力使用量、ガス使用量、部品材料など実際のデータにより算定することが重視されており、サプライヤーへその情報の提供が依頼されるようになってきています。
その理由は、サプライヤーの企業努力(設備更新、再エネ導入、省エネなど)を排出量へ反映させるためです。
環境省も、実データを活用した算定は企業の削減努力を適切に反映できるとして推奨しています。
製品単位のCO2排出量を示すものとして、CFP(カーボンフットプリント)というものがあります。
CFPは、「製品が生まれてから廃棄されるまでに排出される温室効果ガス(CO2など)の量」を見える化したものです。
例えば、1台のノートパソコンであれば、
・原材料の調達
・部品の製造
・製品の組立
・輸送
・使用
・廃棄・リサイクル
といったライフサイクル全体で排出されるCO₂を合計し、「この製品1台あたり○kg-CO₂e」という形で表します。
CFPは、製品ごとのCO₂排出量を示す指標ですが、そのデータは顧客企業がScope3(購入した製品・サービス)の排出量をより正確に算定するために活用されます。
CFPは、国内ではSuMPOにより認定を受けることができますので、第三者に認定をうけた指標値として外部(グローバル対応)へ公開することができます。
8月開催セミナーのご案内
3時間でわかる企業のためのCO2排出量算定入門 ~取引先から「CO2を出してください」 と言われたら何をしたらよいか~
2026年8月28日(金)に、株式会社情報機構様主催の『3時間でわかる企業のためのCO2排出量算定入門 ~取引先から「CO2を出してください」と言われたら何をしたらよいか~』が開催されます。
本セミナーでは、企業における製品や事業活動のCO2排出量算定において、「何から始めればよいか」を、そしてその考え方のもととなっている「LCA(ライフサイクルアセスメント)」について解説いたします。
取引先から、
「製品あたりのCO2排出量を教えてください」
「CFPを回答してください」
「再エネ比率を教えてください」
といった質問を受け、困ったことがある方、困ることが想定される方はぜひご参加ください。
セミナー概要
日時:2026年8月28日(金)13:00~16:30
開催形式:オンライン受講または会場受講(見逃し視聴なし)/(見逃し視聴あり)
会場(会場受講の場合):[東京・大井町]きゅりあん 4階研修室
講師:NTTアドバンステクノロジ(株) アプリケーション・ビジネス本部 GXイノベーション担当 飯橋真輔
おわりに
今後、企業へのCO2排出量の開示要求はさらに「会社単位」から「製品単位」へとシフトすると考えられます。
その動きの中で、サプライヤーにとっては製品の概算値ではなく、CFPなど外部の認定をうけた数値の開示が求められることとなります。
企業はそういった対応を適切に、かつ効率的に実施していかなければいけない状況に置かれています。
NTT-ATでは、お客様のCFP算定・認定の支援をしております。お客様におかれましてCFPを単に算定・開示するだけでなく、環境性能を示して取引機会を拡大する戦略的な取り組みへと活用、弊社はそのお力添えをできれば幸いです。
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