光学設計の自由度を向上する高屈折率ナノインプリント樹脂を開発
NTTアドバンステクノロジ株式会社
NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下:NTT-AT、本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:木村丈治)は、光学接着剤の製造で培った屈折率制御技術を活用し、屈折率1.8、1.9の高屈折率ナノインプリント樹脂を開発いたしました。
この開発品は、高い透明性と良好なナノインプリント性*1を有しており、スピンコートにより均一な薄膜を形成することができます。現在販売している屈折率1.7の樹脂では屈折率整合しなかった高屈折率ガラスに対して屈折率整合しますので、光学設計の自由度が向上することに貢献すると期待されています。
開発品の詳細につきましては、3月28日(日)~31日(水)(PDT/米国太平洋夏時間)にオンラインで開催される「SPIE AR | VR | MR 2021 Digital Forum」にて発表いたします。
本開発品は、2021年6月から提供を開始する予定です。
開発に至った経緯
近年の視野角拡大を目的としたAR/VR向けガラスの高屈折率化に伴い、高屈折率ガラスと屈折率が整合する樹脂の需要も高まっています。NTT-ATでは、光学接着剤製造における高精度な屈折率制御技術を用いて、高屈折率の無機ナノフィラー*2の濃度を高めて高屈折率化を実現しつつ、樹脂の配合を最適化して良好な透明性とナノインプリント性を実現しました。
特長
高屈折率ガラス基板に適合し、ナノインプリントにより線幅50nmから10μmのナノパターンを形成することが可能です。波長400nmから800nmの範囲で高い光透過性を有します。
適用例
ナノインプリント用樹脂、コーティング剤
展示会情報
展示会名:「SPIE AR | VR | MR 2021 Digital Forum」
開催期間:2021年3月28日~31日 PDT/米国太平洋夏時間
主催:SPIE(the international society for optics and photonics)
公式サイト:https://spie.org/conferences-and-exhibitions/ar-vr-mr
*1 樹脂にナノメートルサイズパターンの型を押し当てることで微細加工する技術
*2 屈折率調整に用いられるナノメートルサイズの無機酸化粒子