AIゆえに！！すべての攻撃を見切る究極の秘策！
～一片の隙もない情報セキュリティ対策セミナー～

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セキュリティ対策の専門家でもない私が、社内情報セキュリティ対策の覇権を握るまで

昨年、万年人手不足と噂の情報セキュリティ部門に異動になった。
別に情報システムやセキュリティ対策に特別詳しいわけではない。人事ローテーションの行き先がここだっただけ。
そうは言っても配属されたからには、しっかり役割を果たそう。大丈夫、なんとかなるさ。

……そんな考えは甘かった。

たどり着いた先は「修羅の部署」だった

まず浴びたのは、社内ユーザーからの問い合わせや相談の連撃。ほぼ全てを一人で受けねばならない。
今日なんて定時間際に「怪しいメールの添付ファイルをうっかり開いてしまった」と連絡がきた。
幸い大事には至らずに済んだが、状況把握と対策だけでも手一杯なのに、明日の朝イチで部長にこの件を報告しなければならない。
部長のITリテラシーは、正直それほど高くない。どう説明したら理解してもらえるか、毎度報告書作りは頭が痛い。

本当は、再発防止策や他のセキュリティ対策の検討にもっと時間を使いたい。
また誰かが怪しいメールやサイトを開いてしまったらどうしよう？
もしかしたら、ウチの社内システムは、もう感染している！？
次に何か起きたら、自分一人で対処できるか？

……そんな考えが頭の中をぐるぐる回りながら、今日もまた遅くまで残業だった。

救世主、来たる！

あれから一年、今も私の所属する情セキ部門に増員はない。
だが、今なら「当社の情報システムには一片の隙なし！」と自信をもって言える。

社内ユーザーからの問い合わせにも動じず、たまにあるヒヤリハットも重大インシデントにならずに済んでいる。
相変わらずITリテラシーの高くない部長にも、「君の報告資料は、事象と原因、対策の説明がわかりやすい」と評価されるようになった。
残業も減り、勤務時間を新たな施策検討などの業務に、有意義に使えている。
ようやく「ワークライフバランス」という言葉の意味も実感できるようになった。

……すべてのセキュリティ攻撃を瞬時に見切り、受け技を繰り出す究極奥義を持つ救世主を見出したからだ。