高騒音対応ヘッドセットマイク「R-Talk HS310」をNTT-ATより販売
2015年10月27日

高騒音対応ヘッドセットマイク「R-Talk HS310」をNTT-ATより販売

~三菱重工業株式会社との「社会インフラ×ICT」での研究開発連携のもと、
「インテリジェントマイク技術*1」の実用性能を大幅に強化~

エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社
日本電信電話株式会社

エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社(以下:NTT-AT、本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:木村丈治)は、音響製品ブランド「R-Talk*2」のラインアップの一つとして、工場、工事現場など100dB近い高騒音下でもマイクに入る騒音をオフィス相当の騒音レベルに低減し、音声コマンドを利用した機器の操作や、作業現場と外部とのより明瞭な音声通話を行うことが可能な高騒音対応ヘッドセットマイク「R-Talk HS310」を2015年12月末(予定)より販売開始します。(図1)

「R-Talk HS310」は、日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫)が、三菱重工業株式会社との「社会インフラ×ICT」での研究開発連携のもと、ヘッドセットの利用用途に特化し集音性能を更に高めた「インテリジェントマイク技術」を用いています。本技術では、口元と側頭部に設置したマイクから入力される音信号を利用して、口元の音のみを強調する処理と、フィードバック型の雑音抑圧処理を追加しました。これらの追加技術により、周囲の騒音を確実に抑圧するとともに、自動で音声強調の性能を補正することを可能にし、作業場所やヘッドセットの装着位置のずれを意識することなくクリアな音声の集音が可能になりました。(図2、図3)
本製品は、このほかにも、各種スマートフォンや無線機の外付けマイクとしての利用を想定した多彩な接続インタフェースの用意、防塵防沫(IP54規格)への対応、装着性のよいデザインの採用など、工場、工事現場などの厳しい環境でも快適にご利用いただけるような使い勝手を徹底的に追及しました。
なお、三菱重工業株式会社には大きな騒音が発生する作業現場における円滑なコミュニケーション環境の実現に向けて、販売開始に先駆け「R-Talk HS310」を試用いただいています。

今後、NTT-ATでは、お客様が本製品と音声認識の組み合わせを手軽にご利用いただけるよう、音声認識ソフトと本製品とのソリューションパッケージ化を予定し、製造・保守、建設、防犯・警備、アミューズメント、介護・医療、コールセンターといった分野を中心に、年間2万台の販売を目指します。将来的には、様々な利用シーンに応じたモデルを追加し、ラインアップの拡充を目指していきます。また、NTTでは、実用性能を高めた「インテリジェントマイク技術」によって、音声を利用したサービスの飛躍的な発展に貢献していきます。
なお、2015年11月18~20日に幕張メッセで開催される「Inter Bee 2015(http://www.inter-bee.com/)」にて展示いたします。

専用ヘッドセット R-Talk HS310H(上)と、本体装置R-Talk HS310B(下)

(図1)専用ヘッドセット R-Talk HS310H(上)と、本体装置R-Talk HS310B(下)


利用シーン

(図2)利用シーン


マイク装着位置のずれに対応した集音イメージ

(図3)マイク装着位置のずれに対応した集音イメージ


*1 「100dBの騒音下でも高品質な通話や音声認識を可能とする小型インテリジェントマイクを開発」
https://www.ntt-at.co.jp/news/2014/detail/release140924.html
*2 NTT-ATが販売する遠隔会議向けマイク・スピーカ製品
https://www.ntt-at.co.jp/product/r-talk/index.html


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エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社
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<別紙>

【NTT-AT】高騒音対応ヘッドセットマイク「R-Talk HS310」について

NTT-ATは、NTTよりヘッドセットの利用用途に特化し集音性能を更に高めた「インテリジェントマイク」技術の提供を受け、音響製品ブランド「R-Talk」のラインアップの一つとして、高騒音下で通話/音声認識が可能な高騒音対応ヘッドセットマイク「R-Talk HS310」を製品化し、2015年12月末(予定)より販売を開始します。R-Talk HS310は雑音抑圧処理を行う本体装置(R-Talk HS310B)と、専用ヘッドセット(R-Talk HS310H)で構成され、本製品の活用により、大きな騒音が発生する作業現場における円滑なコミュニケーション環境を実現されます。製造・保守、建設、防犯・警備、アミューズメント、介護・医療、コールセンターといった分野を中心に年間2万台の販売を目指します。
また、2015年11月18~20日に幕張メッセで開催される「Inter Bee 2015(http://www.inter-bee.com/)」にて展示いたします。


【R-Talk HS310の特長】
  1. 100dBの騒音下でもクリアな会話を実現
    ・3つのマイクを搭載し、利用者の声と周囲雑音が混在する中から周囲雑音のみを抑圧。
    ・聞き取りやすいカナル型イヤホンを採用。
  2. 作業しやすい装着性のよいデザイン
    ・ヘッドセットはヘルメットやメガネと干渉しにくいデザイン。
    ・本体装置は胸ポケットや腰に装着可能。
  3. 通信機器との接続が多彩
    ・スマートフォン等通信機器との接続は、有線でもBluetoothでも可能。
  4. 厳しい環境下でも活用可能
    ・防塵、防沫機能(IP54規格)。
ヘルメットやメガネと干渉しにくいデザイン

ヘルメットやメガネと干渉しにくいデザイン


【利用シーン】

本製品は工場、工事現場、アミューズメント施設など高騒音環境下において、無線機、携帯電話と接続しての音声通話や、音声認識と組み合わせて音声入力による作業記録作成でお使いいただけます。また、従来の雑音抑圧方式では困難であった音声の低減も可能ですので、コールセンターなど周囲の音声を低減したいシーンでもご利用いただけます。

さまざまな高騒音下での利用が可能

【今後の展開】

NTT-ATでは、お客様が本製品と音声認識の組み合わせを手軽にご利用いただけるよう、音声認識ソフトと本製品とのソリューションパッケージ化を予定しております。将来的には、様々な利用シーンに応じたモデルを追加し、ラインアップの拡充を目指していきます。
また、ヘッドセットとしての販売に加えて、高騒音下で通話・音声認識が必要な様々な利用シーンに対応した音声ソリューションを容易に構築するためのプラットフォームとして、雑音抑圧処理を行なう本体装置(R-Talk HS310B)単体またはそのカスタマイズ品を提供いたします。


【主要諸元】

主要諸元

【NTT】実用性能を高める新技術の開発について

1.開発の背景

NTTでは、2014年9月に発表した「小型インテリジェントマイク技術」を利用したヘッドセットマイクの試作品を工場等の実際の作業現場で利用するフィールドトライアルを実施してきました。その結果、実際の作業現場では、周囲騒音レベル、騒音の種類が様々であり、あらゆる周囲騒音環境において常に話者の声だけを明瞭に集音・周囲雑音を確実に抑圧する必要がありました。また、作業者に特に指示なくヘッドセットを装着してもらうと、作業者によって口と口元のマイクの相対位置にばらつきがあり、雑音抑圧性能を高めるために集音エリアを狭く設計すると、装着位置のずれによって音声が明瞭に集音されない場合がありました。また、作業者は両手が塞がれていることが多く、例えばトランシーバを用いた音声通話において、ハンズフリーで運用したいというニーズがあり、騒音環境下でも音声に反応して自動的に送信状態になるVOX機能(Voice Operated eXchange)の利用が必要であることがわかりました。NTTでは、作業現場におけるこれらの課題を解決し、実用性能を高める「インテリジェントマイク技術」の開発を進めてきました。


2.新技術のポイント

<ポイント1> 3個のマイク素子を利用した音声強調・雑音抑圧処理
口元に2個、側頭部に1個のマイク素子を配置して二段階の音声強調処理を行うとともに、推定した雑音成分を周波数スペクトル領域で抑圧する処理を組み合わせることで、あらゆる騒音環境で近接音(口から放射される音)のみを強調し、周囲の雑音を確実に抑圧することが可能になりました。

<ポイント1> 3個のマイク素子を利用した音声強調・雑音抑圧処理

<ポイント2> マイク位置のずれに自動適応する音声強調処理
二段目の音声強調処理において、音声成分を残し、雑音成分のみを低減するフィードバック型のフィルタ処理を行うことによって、マイクと口の相対位置が最適な位置から多少ずれていても、自動で音声強調のフィルタ係数を補正し、集音性能の低下を防ぐことが可能になりました。

<ポイント2> マイク位置のずれに自動適応する音声強調処理

<ポイント3> 高精度なVOX機能制御情報の出力
一般に騒音環境下で確実に音声区間検出をすることは困難ですが、本技術では、「インテリジェントマイク処理」の過程において推定した音声成分、雑音成分の情報をもとに検出した発話区間の情報を出力します。この情報を用いてVOX機能を実現し、騒音環境下でも音声によるトランシーバの送受信のコントロールを可能にしました。

<ポイント3> 高精度なVOX機能制御情報の出力
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