学生時代、機械系の学科で微細加工技術について研究していた今村栄司がNTT-ATという会社の存在を初めて知ったのは、研究の一環として参加した技術製品の展示会の場であった。
「他の展示物を見て回ろうと、NTT-ATのブースに立ち寄ってみたところ、学生の私に対しても、とてもていねいに説明してくれたんです。展示してある技術自体にも惹かれたのですが、担当者の方がとても楽しそうに話してくれたのが印象的でした。正直なところ、それから10年ほど経ったいま、展示の内容はあまり記憶にありませんが、その方の目の輝きだけははっきり覚えています。“こんなふうに楽しく仕事ができれば、充実した毎日が送れるだろうなあ”と思ったんですね」
入社して配属された部署では、NTT研究所が有する光ファイバ等を用いた最先端のアクセス技術を、社会のニーズに合う形で提供する役割を担っていた。ここで今村はまず、研究所内の実験用光通信ネットワークの構築やそれを用いた実験のサポートを担当する。
今村 栄司/2003年入社
情報システム学専攻修了
クラウドIoT事業本部
IoTソリューションビジネスユニット
機械系育ちでネットワークの知識はほとんど持ち合わせておらず、「“IPアドレスって何?”というレベルだった」というが、実践の場で揉まれながら知識を貪欲に吸収していった。
「わからないことはノートに書きとめ、文献やインターネットで調べて、それでもわからなければ先輩に尋ねて……という繰り返しでしたね。幸い、“どんな新人でも最初は何もわからないし、ミスだってするものだ”という先輩のおおらかな言葉のおかげで、どんなことでも臆せず質問できましたし、先輩も粘り強く教えてくださいました。
また、お客様からの構築オーダに応えるために実験用ネットワーク設備を実際に使っていろいろと試行錯誤したことも、今思えば大いにプラスの経験でした。どんなシステムを構築する上でも、基本となるのはネットワークです。新入社員時代にネットワークに関する知識を“頭と体で”理解する機会を得られたのは、今にして思えばとても貴重な経験でした」