NTTグループのVoIPサービスにおける新技術検討および総合検証

PROJECT STORY

NTTグループのVoIPサービスにおける
新技術検討および総合検証

顧客とのゆるぎない信頼は、一つひとつの技術の積み重ねの上にある。

IPネットワークを利用し、安価な音声通信を実現するVoIPシステム。
他社に先駆けてVoIPサービスを展開してきたNTTグループにおいては、
ネットワークとの親和性、効率性やコストパフォーマンスに優れ、さらにニーズの広がりを見せている。

ここでは、「次世代のVoIP新サービスを実現するための仕様の検討と確定を担うプロジェクト」と
「これらVoIPサービスを高い品質でユーザーに提供するための検証(テスト)を行うプロジェクト」
に携わる二人のエンジニアを紹介する。

NTT-ATのエンジニアとして、顧客であるNTTグループ会社とプロジェクトを
推進しながら積み上げてきた確かな技術力と信頼性の証を感じ取ってもらいたい。

アプリケーションソリューション事業本部 アプリケーションSIビジネスユニット 検証環境構築チームリーダー

トータルソリューション事業本部
ネットワークソリューションビジネスユニット
山田 暢隆

アプリケーションソリューション事業本部 アプリケーションSIビジネスユニット 検証環境構築担当

ネットワーク&ソフトウェア事業本部
ネットワークサービスイノベーションビジネスユニット
橘 智一

VolPサービスの進化を支える2つの基幹プロジェクト

VoIPネットワークのグランドデザインの策定まで行っています

VoIPネットワークのグランドデザインの策定まで行っています

ひと口にVoIPサービスといっても、企業や個人ユーザーが求めるニーズによってさまざまな機能が複層的に進化を遂げている。そのなかでNTTグループは、常に多様なメディア環境で利用できる新しいVoIPサービスの拡大を図っている。

その取り組みの最前線で活躍している一人が山田暢隆だ。 「私たちのプロジェクトの主な仕事は、IPネットワーク上で呼処理を行うCall Agentや、異なるVoIPネットワークの境界に設置されるSBC(Session Border Controller)などVoIPサービスを実現するためのシステムやVoIP端末の仕様の検討です。そして、その仕様の適合性の検証を含め、新サービスを実現させる方式の検討、さらには将来に向けたVoIPネットワークのグランドデザインの策定まで行っています」

顧客であるNTTグループ会社の新サービスの構想に対し、そのサービスを実現可能にし、世の中に送り出していくためにはどのような仕組みを作っていけばよいか。拡張性や汎用性を見極めつつ、サーバーの構成や最適なアクセス方式を検討し、最終的な仕様を確定していくのだ。

一方、橘智一が携わっているのは、NTTグループ会社が展開するVoIPサービスの仕様を、より広範囲にわたり検討・検証していくプロジェクトである。そこには、山田が担当している新サービス実現のための案件も含まれている。
「私たちのミッションは、新しいVoIPサービスを構成する各サーバーの動作が適正かを検証することです。チームメンバーは約15人。私はプロジェクトマネージャーとして、検証業務の計画やスケジュール管理、体制づくり、各業務の進捗管理などチーム全体を統括しています」

解決すべき課題と向き合い誕生した検証自動化ソリューション

プロジェクト当初は上流工程での検討漏れや検証メンバーとの意識のずれによって仕様のバグなども多く発生し、山田はさまざまな壁に当たったという。
「いまではだれもが持っているスマートフォンも、5年ほど前はまだ世の中に出たばかり。当時、私はスマートフォンを利用したFMC(Fixed Mobile Convergence)サービスを手がけたのですが、モバイルキャリアとの接続は予想以上に複雑であり、仕様差分吸収、音声品質確保、セキュリティ確保などの仕様方式の検討も手探り状態でした。VoIPアプリの検証では新ファイルがリリースされるたびに全対応機種に同じ検証項目を実施しなければならず、人的なミスなど種々の問題が発生しました」

山田はこうした苦い経験を糧に、検証や維持管理工程で必要となる情報の早期共有など、問題解決に向けたさまざまな取り組みを始めた。
「特にスマートフォンの検証においては、当初、端末も2~3機種だったものが、その後Android OSの誕生によりアッという間に何十機種となり、検証業務は常に火の車という状態でした。スマートフォン向け検証業務の立ち上げ時は、新しい問題が次々と発生し、対応が後手に回ることも多かった。私は何とかこの状態を改善したいと、とにかく身近で少しでも詳しい人に聞いて歩いたり、専門誌などを読みあさったり、とにかく必死でした」

検証品質もアップし、業務も効率化し人件費も驚くほど削減した

検証品質もアップし、業務も効率化し人件費も驚くほど削減した

その結果、各仕様の検証工程を自動化するツールやテストアプリケーション、スマートフォンを操作できるロボットを組み合わせた検証の自動化ソリューションが誕生したのだ。
「これによって、いままで人間が行っていた作業を、24時間、夜間や休日もロボットやソフトウェアが実行してくれます。その結果、人的なミスも減り検証品質もアップし、業務も効率化し人件費も驚くほど削減できました。このソリューションが実用化したときは、メンバーや上司も皆が苦労を共にしていたので、それまで味わったことのない達成感を感じました」(山田)

VoIPサービスの検証業務においてNTT-ATには長年のノウハウと情報の蓄積があり、お客様からの要望に対しても多くの経験のなかでスピーディに対応できる仕組みづくりが常に考えられている。そのなかでも、進化した検証の自動化ツールはNTT-ATの大きな技術資産でもある。

「私たちのチームでも、検証するサーバーが新たなものに置き換わったり、新しいサービスのリリースも迫っているため検証の自動化を図っているところです。山田たちがスマートフォンのVoIP新サービスの際に開発・導入したソリューション技術は、私たちのCall AgentやMedia Serverなどサーバー系の検証にも充分展開できるもので、大幅に効率化ができる画期的なものだと考えています。今後は、弊社のオリジナルの商品として対応範囲を広げることでもっと市場にアピールできると思っています」(橘)

VoIPサービスの概念図

VoIPサービスの概念図

NTT-ATだから可能な総合的な技術支援と提案力

技術の積み重ねが、次の時代につながっていくことが最大のモチベーション

技術の積み重ねが、次の時代につながっていくことが最大のモチベーション

山田のチームは、お客様のビル内にNTT-ATとしてまとまったスペースを借りることにより、密なコミュニケーションから顧客の構想を早い段階でキャッチアップし業務に反映している。
「私はいまのチームに入って6年目と長くなり、お客様にもそれなりに信頼されるようになってきたと感じています。今回のプロジェクトでも、仕様策定に向けて常に問題提起しながらさまざまな提案ができるようになってきましたが、VoIPサービスは今後ますます多様化していきます。新サービスの展開に伴って発生する新しい問題の原因を突き止め、その対処法まで併せて考えてお客様に提案することで、信頼を確固たるものにしていきたいですね」(山田)

「私たちも山田のチームと連携して、『お客様からこういう話がきているが、そっちはどんな動きをしているのか』『今度のサービスは、どんな内容でどんなスケジュールで動いているのか』といった動きを事前に情報を共有しながら準備するようにしています。ときには予測できない事態が起こることもありますから、いろいろな状況を想定し、検証内容をお互いに確認した上で準備し解決に向かうことが重要です。私たちにはお客様と深く関わって対応してきた技術的な自信もあるので、勘どころを押さえた準備ができる。これは強みです」(橘)

そして、山田、橘が関わる互いのプロジェクトは、長年にわたってNTTグループのVoIPサービスを支えてきた技術として、またNTT-ATの業務範囲を拡大し成長を促した功績によって、社長表彰を受けた。 「いままで積み重ねてきたことが形として評価されたことは、ものすごく光栄に思います。VoIPの技術はNTTグループにおいても重要な位置を占めていますし、私自身もいろいろな経験のなかで迷ったり壁にぶつかったりしながらも、常にやる気をかき立ててくれる仕事でした。表彰は、私たちが目指す方向は間違ってないよ、と背中を押してくれました」(山田)

「そうですね。NTT-ATが長年携わっている分野で、常に新しい技術を生み出し、業務範囲も拡大していますから、そういう意味で私にとっても嬉しい評価です。私たちにとって技術の積み重ねが、確実に次の時代につながっていくことが最大のモチベーションになりますから」(橘)

NTTグループが展開する事業やサービスを具現化していくために、NTT-ATはNTT研究所とともに、高い技術力を強みとしている。その技術力をバックボーンに、今後もお客様に対してより付加価値のある提案やノウハウを提供し続けることが何より重要な使命なのだ。

「私たちは、VoIP関連における商用の環境設計、構築支援、さらにソフトウェアの仕様検討、サーバー等の検証などの多様な業務を通じて、さまざまな情報の早期共有や問題発生時の原因の切り分け、問題解決に向けた提案などをしています。こういった多様でキメ細かい連携や技術支援はお客様に対して大きな付加価値になっていると自負しています。技術力で信頼を勝ち得たNTT-ATだから可能なことなのです。」(橘)

VoIPサービスに関わるプロジェクトは長期にわたっており、NTT-ATにとっても主要な技術分野である。そこには通信網や端末・メディアの急速な進歩にともない生まれる市場のニーズを常に先取りしていこうとする顧客の戦略があり、二人はNTT-ATのエンジニアとしてそれぞれの立場で応えてきた。そのキャリアをもとに、これからNTT-ATで活躍する人への期待を語る。

幅広い分野のエンジニアの技術を共有し、NTT-ATのさらなる成長力に変えていきたい

エンジニアとしての新しい経験と自信が、次の目標へのモチベーションを生む

若いエンジニアにチームワークがもたらす仕事の達成感をもっと知ってほしい

エンジニアの成長の仕方は人それぞれだが、NTT-ATでなければ得られない成長の仕方もある。 「私はプロジェクトリーダーとして人材育成がテーマですが、私の経験で言えば、何か問題が発生したとき、一人ですべて解決できる仕事はありません。内容に応じてチームメンバーと一緒に検討し、問題を解決するためにはどうするか。お客様の意向を熟知して、どんな提案をするか。

そういう作業を繰り返し、問題を一つひとつクリアしていきながら人は成長します。
特に、今回は15人のメンバーを束ねて業務を進める役割でしたが、メンバー一人ひとりときちんと向き合うことができ、一人ひとりの抱える課題をクリアできたときの喜びは他にないものでした。私はNTT-ATの若いエンジニアたちに、こうしたチームワークがもたらす仕事の達成感をもっともっと知ってほしいと思います」(橘)

「いまの私の仕事もそうですが、NTT-ATはNTT研究所とも深いつながりがあります。先進の技術でICTをけん引するNTT研究所の所員の方と技術的な議論を交わす機会がたくさんあり、その中で自ら実現方式などを考えて提案も行います。その経験によって相手に理解してもらうプレゼンテーション力や説得力のある資料づくりなどの能力が確実に身に付きます。私自身、何度も失敗を重ねてきましたが、挑戦する機会を用意してもらい、その結果一つずつ自信を深めることができました。」(山田)

VoIPサービスの将来的な展望もある程度描けるようになり、さらに専門技術を深めたいという気持ちとともに、将来に向けNTT-ATのエンジニアたちの技術交流を深めたいという思いもあるという。
「将来、私も橘さんのようなプロジェクトマネージャーを任されることもあるでしょうが、そのとき私の経験や知識が他の領域にもきちんと役に立てるものでありたいです。いまNTT-ATは幅広くいろいろな分野に挑戦していますが、エンジニアの横のつながりをもっと強いものにしていきたいと思います。エンジニア一人ひとりに蓄積されているいろいろな技術が、もっと社内で交流されていくとさらに強い会社になれますし、これからNTT-ATに入ってくるエンジニアの未来にとってもさまざまな道が広がると思います」

確かな経験を積んだエンジニアが、いろいろな分野にローテーションされることで多様な技術力が広く拡散し、共有され、エンジニア一人ひとりの刺激にもなる。それは幅広い技術をもつNTT-ATだからこそ可能なエンジニアの成長の仕方なのだ。

※記載の文章は取材時点のものです。