
採用トップページ > キャリアストーリー 中西 裕二/入社15年目


中西裕二は大学で、数値流体力学の研究やその計算結果のビジュアライゼーションを行っていた。高校時代に物理部で、限られた能力のコンピューターをやりくりして使っていただけに、最先端のマシンに囲まれた大学の環境は、まるで夢のようだったと振り返る。新設の学科で教員と学生との距離が近かったこともあり、入学早々に教授の研究のサポートを手がけ始めた中西は、以来、研究室に入り浸りの日々を送ることになる。
そんな中西がその後の進路を決めるにあたり、NTT-ATに関してもっとも大きな魅力を感じたのも、やはり、その恵まれた開発環境だったという。
「NTT研究所の研究支援を行い、研究所が生み出した技術を広く社会に提供する役割を担うNTT-ATなら、設備も最先端レベルのものが使えると、一足早く入社した先輩から教えてもらったんです。大学時代と同様、そういう設備を自分の手で自在に動かしてみたいと思ったのが、入社の決め手でしたね」
だが意外にも、入社後の中西の配属希望は、「データベースやWebアプリケーション関連の部署」だった。それはなぜか。
「この二つに関しての知識はほとんどゼロに近くて。NTT-ATはインフラからソリューション、プロダクトまで、さまざまな業務を手がけていますから、入社を機に一度まっさらな状態になって、新たな分野について学んでみるのも面白いかもしれないな、と思ったんです」
希望が叶い、配属された部署では、出退勤管理や電子決裁、電子申請などの総務系システムを担当する。入社早々チャレンジングな環境を与えられた中西は、水を得た魚のように、新たな知識の習得に熱中していった。
「データベースとWebアプリケーションを組み合わせて作るグループウェアや総務系システムなどは、一般企業、自治体など、どんな組織でもシステム化のニーズがあるんです。今考えれば、自らの技術を社会に活かすという意味ではいい選択だったと思いますね」

入社して半年が過ぎた頃、中西に一つのチャンスが訪れる。とあるクライアント向けに開発されたミドルウェアの製品評価の担当者として、中西に白羽の矢が立ったのだ。製品評価とは、ミドルウェアが想定する用途に耐えうるかどうかを調査する任務である。中西の経験と、入社以来の働きぶりが評価されてのことだった。
「当時からNTT-ATには、たとえ若手であっても、能力と強い意志さえあれば、責任のある仕事をどんどん与えてくれる文化がありました。でも、周囲より一足早く大きな仕事を担当できる代わりに、クライアントとの交渉やプロジェクトの進め方については、自力でキャッチアップしなければなりませんでした。よく上司に議事録を提出すると、真っ赤に添削されて返ってきたものです。最初は戸惑いましたが、自由にやらせてくれるぶん、こうしたことは現場で身につけていくよりほかないんですね。この時期、ビジネスやプロジェクトマネジメントの基本に関してはずいぶん鍛えられたと思います」
入社3年目からは、自治体向けシステムの構築や設計を担当。庁内LANの設計や導入、システム運用設計のほか、総務系アプリケーションの設計や構築などにも携わった。この時期、手がけるプロジェクトの規模は一気に拡大し、中西は後輩社員や協力会社など数多くスタッフたちをまとめつつ、大きな目標と向き合うことになった。
当時はWebアプリケーションの黎明期で、ノウハウがなかなか手に入りづらかった。中西は社内外の人脈をフル活用し、各分野のエキスパートと情報交換しながら開発を進めた。幸いNTT-ATには、ネットワーク、オブジェクト指向開発、データベースなど、各分野の「とんがった人材」が揃っていた。そんな社員たちとの対話は、仕事に活きる新たな発見の連続で、非常に刺激的だったという。
中西には、この時期に培った仕事に対するポリシーがある。それは、ユーザーがシステムをどのように使うのか、できるだけ具体的にイメージしておくことだ。
「例えばWebアプリケーションなら、多くの開発者はユーザーがログインした後のことしか考えません。でも私はまず、ユーザーが何時頃出勤してパソコンの電源を立ち上げるのか、どのぐらいの時間にシステムの利用が集中するのか、など、ユーザーの行動についてとことんイメージを膨らませる。この“シナリオ”ができあがると、アプリケーションのデザインも、データベースのチューニングも、質が格段に上がるんです」


中西は現在でも引き続き、データベースとWebアプリケーションを使った各種情報システムの設計や構築に携わっている。最近では、過去に自らが主担当となって構築した、ある自治体向けの情報システムのリニューアル・プロジェクトも進行中だ。
「このシステムは自分が中心となって構築に取り組んだだけに、思い入れも深いんです。驚いたのは、10年前に構築したアプリケーションを、現在もほぼ同じ構成で大切に使っていただいていること。このような仕事やお客様に出会えたことに感謝すると同時に、チームで成し遂げた仕事に対する誇りや、成果品に対する責任を感じますね」
クライアントからは「リニューアル後も現在の環境に合わせて同様のシステムを」と求められている。現状のシステムに満足いただいているということなので、それはそれでうれしいことではあるが、ここでも中西は質の向上への努力をやめない。利用状況や感想などを細かくリサーチした上で、ユーザーのイメージを大きく膨らませ、利便性の向上につながるアイデアを数多く盛り込もうと目論んでいる。
「今はパソコンを一人一台持つのが当たり前の時代。ユーザーのITリテラシーのレベルも10年前とはまったく違います。新システムでは、そういう時代に合った提案をしたいと思っています。特に、若手社員には大いに期待していますよ。今の若い人たちはパソコンを文房具のように使いこなす感覚を持っていますから、私たちとは一味違う発想ができると思うんです。もちろん私もまだまだ負けてはいませんが(笑)」
NTT-ATを一言で言うなら“自由な会社”と中西は言う。豊かな発想と積極的な意志があれば、とんがった技術ととんがった人材を掛けあわせ、世の中の役に立つものを自由に生み出すことができる環境があるからだ。
「そういう恵まれた環境を面白がって、能動的に仕事に取り組める人、そして、若さならではの斬新な発想を持ち込んでくれる人と一緒に仕事がしたいですね」