目立たなくとも、社会のどこかで役に立つ仕事を

CAREER STORY

目立たなくとも、社会のどこかで役に立つ仕事を

「こんな人たちと一緒に働けたら」という思いが、強く背中を押した。

海川枝里子は学生時代、物質応用化学を学んでいた。自然界に存在する化合物から抗酸化作用や抗がん作用のある物質を抽出したり、微生物の働きを用いて、健康や美容に役立つ物質を作り出す研究に取り組んでいたのである。同じ研究室の学生たちは、専攻を活かして化学メーカーや製薬会社、食品会社などに次々に就職を決めており、海川自身も、当初は何の疑問もなくそうした業界に就職するものだと思っていた。
「でも、面接を受けても、志望動機や熱意のようなものがなかなかうまく伝えられなくて。せっかくのチャンスなんだから、もっといろんな業界を見てみようと思い直したんです」

NTT-ATの選考を受けてみようと思ったのは、以前にインターネット接続窓口のお客様対応のアルバイトをした経験があり、「ネットワークの仕事って格好いいな」という漠然とした憧れを抱いていたからだった。

海川 枝里子/2006年入社 物質応用科学科卒 ネットワーク&ソフトウェア事業本部 ネットワークサービスイノベーションビジネスユニット

海川 枝里子/2006年入社
物質応用化学科卒
ネットワーク&ソフトウェア事業本部
ネットワークサービスイノベーションビジネスユニット

「会社説明会は新たな発見の連続で、とても面白かったですね。派手さはないけれど、確実に社会の“縁の下の力持ち”の役割をしているところに特に惹かれました。それに、ネットワークなどのインフラだけでなく、アプリケーション開発やプロダクト開発など、幅広い事業を展開しているので、働きながら自分に合う分野も見つけていくこともできそうだと思ったんです」

そして、入社の最大の決め手になったのは“人”だった、と海川は当時を振り返る。
「選考の過程で出会った社員の方々がとても楽しい方ばかりで。“こんな人たちと一緒に仕事ができたら毎日楽しく働けるだろうな”と思ったんです。面接でも決まりきったような堅苦しい質問はなく、自然に会話しているような雰囲気でした。終わった後に“楽しかった”と思えた面接はNTT-ATが初めてでしたね」

早くチームの戦力になりたい。勉強にも自然に力が入った。

自分の成長した姿を見せたい一心だった

自分の成長した姿を見せたい一心だった

入社後、サービス創出ビジネスユニット(当時)に配属された海川は、さっそくNGN(次世代ネットワーク)の根幹部分を支えるネットワークシステム開発プロジェクトに参加。検証チームの一員として、ルーターの検証作業を担当することになった。

NGNは、情報通信の新時代を担うインフラとして、昨今大きな脚光を浴びてきている。電話回線の安定性や信頼性と、IPネットワークの柔軟性や経済性の双方を兼ね備えた、文字通り「次世代」のネットワークである。海川の目の前には、憧れの仕事の、最先端のフィールドがあった。
「ルーターを見ることさえ初めてという状態からのスタートでしたから、必死で勉強しました。そんななかでも、同じチームの先輩社員のみなさんには質問や相談に気軽に乗っていただき、ずいぶん助けられましたね。私の成長を後押ししてくださるみなさんの気持ちがうれしくて、“この会社を選んでよかった”と心から思いました」

先輩社員たちに期待に応え、早くチームの戦力として認められるようにならなければ──勉強にも自然と力が入った。
「チーム内で持ち上がった検討課題は、たとえそれが私の担当範囲でなくても、自分で調べ、結果をメンバーに報告していました。自分の成長した姿を見せたい一心でしたね」

そんな海川にとって、転機となった仕事がある。「コアルーター」と呼ばれる、ネットワークの根幹部分で用いられるルーターの設定解説書を作成する業務である。

現場の作業員が使用する設定解説書づくりは、いわばプロジェクトの総仕上げである。検証業務に携わった社員にヒアリングを行い、設定の意味を一つひとつ確認しつつ、わかりやすくまとめていく。コアルーターの設定を熟知した海川だからこそ任された業務である。完成したドキュメントは、実に数百ページにも及んだ。「現場でルーターの設定にあたる作業員の方がいかに理解しやすいようにまとめるかという点に気を遣いました。求める情報をスピーディーかつ的確に把握できるよう、レイアウトも工夫したつもりです。ルーターの設定に間違いがあれば、全国レベルの通信障害が発生しかねません。自分に課せられた責任の重さを感じながら仕事をしていました」

この仕事はクライアントにも高く評価され、チーム内でも「解説書なら海川さん」といわれるようになった。「早くチームの役に立ちたい」と強く願っていた海川にとって、それは何よりの褒め言葉だったに違いない。

海川枝里子のある一日

海川枝里子のある一日

手がけた仕事が世に羽ばくその日まで、技術者の奮闘は続く

こうした経験を経て、海川は入社4年目から、NGN第二世代ネットワークで、よりユーザーに近い部分に用いる「エッジルータ」と呼ばれる機器の評価業務に携わることになった。

NGNの進化版ともいえる、NGN第二世代ネットワーク。多様化するユーザーのニーズに対応するとともに、より安全かつ低コストなネットワークを実現すべく、数多くの機能追加が予定されている。

現在、海川は技術リーダーとして、6人のメンバーからなるチームのとりまとめを行っている。複数のベンダーから販売されているエッジルータの一つひとつについて、機能追加の際に求められる機能や性能を満たしているかを検証し、導入の可否を判断するのがチームのミッションである。
「まだ市場に出ていない最先端の技術に触れられるところがこの仕事の一番の魅力。

ネットワークサービス&
ソフトウェア事業部に配属(当時)

NGNネットワークのバックボーンである「コアネットワーク」の検証業務に従事。

NGN第二世代ネットワークの「エッジルータ」の機能評価を手がける。 技術リーダーとして、6名のメンバーからなるチームを統括している。

海川枝里子のキャリアステップ

特にNGN第二世代ネットワークのプロジェクトは開発の初期段階から携わっている仕事ですから、ぜひ商用化するところまで見届けたいですね」

商用化──それは、自分が手がけた仕事が世に羽ばたくことを意味する。そんな場面を実際に目にすることは、その後の技術者人生の確かなモチベーションとなるに違いない。

最後に海川は、技術者としての今後のキャリアについて、こんな希望を語ってくれた。
「いま私が携わっているのはプロジェクトの一部分に過ぎません。今後はセキュリティなど、これまでとは違った分野にもチャレンジして、自分の引き出しを増やしていきたいと思います。そしていつか、目立たなくとも、確実に社会のどこかで役に立つようなプロジェクトを、自分が中心になって世の中に送り出すことができたら最高ですね」

※記載の文章は取材時点のものです。