三重大学医学部様

遠隔での医師間のレベルアップ、意思疎通の重要なツール

Cisco ビデオ会議 導入事例 三重大学医学部様
近年の産科医療を取巻く状況は厳しさを増しているなか、三重県においても産婦人科医師の減少問題を憂慮する声が高まっているという。妊産婦が安全で安心な出産ができるよう、三重県では三重大学医学部を中心に県内各地に地域周産期母子医療センターを整備し、周産期医療のネットワークを確立している。それらの医療センターを映像ネットワークで結び、症例情報などを共有するために導入されたNTT-ATのビデオ会議システムが、三重県全体の周産期医療の均一化や医療関係者のレベルアップに欠かせないものになっているという。そこに至るまでの経緯と活用方法、そして今後の展望について話を伺った。

三重大学医学部様(Cisco ビデオ会議システム 導入事例)

三重大学医学部様

周産期医療※1を支える3つの柱は、ヒト・モノ・ネットワーク。
それらをスムーズにつなぐことにより三重県全体の周産期医療の質の
均一化に貢献しているという、NTT-ATビデオ会議システムの導入事例。

三重大学 大学院医学系研究科
臨床医学系講座 産婦人科学 教授
附属病院 副病院長(診療担当)
池田 智明氏

「目と目を合わせて話す」ことの重要さ

 三重大学医学部附属病院は三重県唯一の特定機能病院として先進医療、高度医療をおこなう県最大の中核医療施設として機能している。そこでは総合病院としてのさまざまな診療科に加え、救急救命センターの機能強化やドクターヘリによる救急医療も取り入れ、3次を中心とする救急医療にも力を入れている。同病院の池田智明教授は、産婦人科での周産期の妊産婦と胎児の診断を主とする以外にも、県内に点在する地域周産期母子医療センターの妊産婦の症例診断についてもサポートする立場にある。その背景について話を伺った。

 「三重県は南北に長い特殊な地理条件で都市部は北部に偏っており、南部は人口が少ない上に設備が整った産院も少ないのが現状です。そのため、これまでは南部にお住まいで胎児に疾病の疑いのある妊産婦さんには地元の医師が紹介状を書き、当病院で受診して頂いていました。しかし和歌山の県境から三重大まで車で4~5時間かかるため、妊産婦さんやそのご家族には大きな負担となっていました。通院や入院時のことも含め、自宅近くの産院での出産がお母さんの希望だと思います。県内各地に周産期医療センターを整備し、周産期医療ネットワークを整え、病院間で検査データなどの情報を共有することによって、妊産婦さんやご家族の負担を軽減したいと考えたのです。」

 三重県のみならず他県の地方都市にも通じる共通的な課題だが、連携体制が確立すると同時に新たな問題も起きはじめたという。

 「三重大と各医療センターとの間には、綿密なコミュニケーションや迅速な情報共有が不可欠でしたが、同じく地理要因もあってメールや電話のみの情報伝達だけでは不足することも多々ありました。やはり人と人とのコミュニケーションは、目と目を合わせて話すことが重要ですが、だからといって医師が三重大と医療センターを頻繁に行き来することも現実的ではありません。その解決のためにビデオ会議システムの導入検討をはじめました。」

地理的制約を超えたコミュニケーション

 それは三重大から離れた場所にある各医療センターとのカンファレンス※2をリアルタイムでおこなうことで、コミュニケーションの質を飛躍的に高めることが目的だったという。

Cisco ビデオ会議 導入事例 三重大学医学部様
「自宅近くの産院と三重大の専門医が綿密なコミュニケーションで情報共有すれば、不必要な移動や三重大での出産を減らすことができますし、逆に専門医や多くの経験豊富なスタッフと設備が整った三重大で出産することで、新生児の救急車による緊急搬送を減らすこともでき、出産後の予後も良好に保つこともできると期待しています。」

ビデオ会議システムの導入にNTT-ATを選んだ理由も伺ってみた。

「ビデオ会議システムは、これまで院内で使っていたインターネット回線とは別の高速回線が必要でしたので、その回線契約とシステム納入がワンストップでできることが大きい要因でした。また、何らかしらのトラブルが起きた際、それが機器のトラブルか回線のトラブルかは私たちには分からないため、機器と回線を別の会社で契約していた場合には、それぞれに問い合わせする必要がありますが、NTT-ATさんであれば、ひとつのサポート窓口に問い合わせるだけで解決できるという点が大きなメリットでした。 」

若手医師のレベルアップにも貢献

Cisco ビデオ会議 導入事例 三重大学医学部様
実際にNTT-ATのビデオ会議システムの導入後は、現場にどう変化をもたらしたのだろうか。

 「自宅近くの産院と三重大の専門医が綿密なコミュニケーションで情報共有すれば、不必要な移動や三重大での出産を減らすことができますし、逆に専門医や多くの経験豊富なスタッフと設備が整った三重大で出産することで、新生児の救急車による緊急搬送を減らすこともでき、出産後の予後も良好に保つこともできると期待しています。」 
「映像・音声ともに期待以上で、実際に会って話しているのと変わらないほど意思の疎通もスムーズです。カンファレンスでは胎児の心臓エコー動画などを共有しますが、画像がとても鮮明で満足していますし、電子化されたカルテの共有にも役立っています。三重の地理条件を考えると、実際に医師同士が集まってカンファレンスをおこなうことは困難ですが、新しいシステムは、もうその必要性をほとんど感じないほどです。現在は週一度の症例検討会を開催していますが、若手の医師達はこのシステムを使って自主的な勉強会を実施しているらしく、すでに若手医師や技師のレベルアップにつながっていることを感じています。」

 さらにサポート体制についても伺った。

 「まれに不意のトラブルも起こりますが、こういったときは電話をしてすぐにトラブルの原因を解決して貰っているので安心です。」

今後の展開について

 「他の診療科ももちろんですが、特に周産期医療というものは妊産婦さんの住んでいる場所によって、受けられる医療の質に差があることは避けなければなりません。このシステムによって実現した地域を超えたカンファレンスの取り組みが、県内の医療関係者の連帯感を強くしていますし、こうしたコミュニケーションを常日頃からおこなっていてこそ、いざというときに役に立つのです。」

 最後に今後、どういった展開や構想を持っているのかを伺った。

 「現在は4拠点同時接続でカンファレンスを行っていますが、将来的には県内の総合病院や診療所を含め、15~16拠点を同時接続してカンファレンスできるように拡張したいと考えています。その他にも、たとえば海外からのゲストスピーカーが来た際の講演会へ活用できるのではないかと思います。医師の意欲向上につながる講演会には、より多くの参加者がいることが望ましいです。また、地方の病院に異動した若い医師などは孤独感を強く感じる傾向があり、その解消にもこのシステムは有効だと思います。たとえば診療時の判断に困ったときには、日頃からビデオ会議を通じてコミュニケーションを取っている他病院の医師の意見を、気軽に聞けるようにしていきたいです。近い将来は過去に三重大で勤務していた医師がいる東京の関連病院にもシステムの導入を検討しており、同じような効果が生まれることを期待しています。最終的な目標としては、東京や大阪と通じて周産期に関する世界の最新医療情報を、三大経由で県内の各病院に配信していき、県内全域の医療レベルの向上を目指しています。その実現のためにもNTT-ATさんの存在は欠かせないですね。」

語句の説明

※1 周産期医療
ハイリスク妊産婦の妊娠・分娩管理その他の産科医療及 びハイリスク新生児の集中治療管理その他の新生児医療 をいう。この期間は母子共に異常を生じやすく、突発的な緊急事態に備えて産科・小児科双方の一貫した医療体制が必要とされる。

※2 カンファレンス
症例検討会=患者の情報交換とディスカッションにより、 治療方針などを決めるための会議。

 

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